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欧州ジャーナリストの視点
フリーランス・ジャーナリスト Ian Adcock氏
英国在住。『What Car』『Autocar』『Motor』などの自動車専門誌の編集者を経て、1980年からフリーに。自動車技術専門誌の『European Automotive Design』誌に寄稿するなど技術にも詳しい。

 米GM社の欧州における戦略は、昨年の間ずっと混乱していた。そして、クリスマスの1週間前に発表された、スウェーデンSaab社を解体するというニュースによって、戦略は完全に崩壊した。このニュースはSaab社の本社があるTrollhattanの3000人以上の従業員と、彼らの家族を打ちのめした。
 GM社が、政府保証を得るために、オバマ内閣に頭を下げざるを得なくなったとき、最初にしたことは、同社の持つブランドをたたき売ることだった。Hummer、Saturn、Opel、そしてSaabといったブランドは、誰にでも手に入れられるようになった。
 確かにSaturnやHummerは財政的にも経営的にも混乱していた。一方で、GM社が世界的なプレーヤーとしての地位を維持することを望んでいたのだとすれば、OpelやSaabといったブランドを売却しても、欧州におけるプレゼンスを維持できると本気で考えていたことになる。

以下,『日経Automotive Technology』2010年3月号に掲載