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 横浜国立大学大学院教授の水口仁氏らの研究チームはこのほど,工場で排出される揮発性有機化合物(VOC)を瞬時に分解できる装置の試作機を完成させた。分解を促進させる触媒には,加熱した酸化チタン(TiO2)や酸化クロム(Cr2O3)などの半導体を用いる。分解能力が高いため,加熱温度が350~500℃と低くて済み,小型化/低価格化も可能になるという。装置を製造できるメーカーと組み,早期の商品化を目指す。

 既にTiO2などを光触媒としてVOCを分解する手法も実用化されているが,今回の装置は光ではなく熱を使用する。半導体を加熱すると,価電子帯から伝導帯に電子が遷移(励起)。電子を奪われた価電子帯には正孔が大量に形成されてプラスに帯電,これがVOCの分子から電子を奪い,分解反応を誘発するのだ。

〔以下,日経ものづくり2010年2月号に掲載〕