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「新人にも分かる 工場安全のツボ」は,生産現場における本質安全構築の基礎を学べるQ&A方式のコラムです。現場で悩むことの多い工場安全の疑問とその回答を通じて,真の工場安全を実現するために必要な考え方や手法を紹介していきます。

【Q1】統合生産システム(IMS)を設計しています。各制御区分における再起動の手順はどのように決めればよいでしょうか?

 前回と前々回は,複数の機械/装置から成るIMSについて説明しました。IMSの制御区分とは,協調制御の対象となる機械/装置のまとまりのことをいいます(制御区分の詳細については,前回と前々回を参照してください)。

 一般に,機械/装置の再起動は事故が起きやすい状況なので,その場合の安全性を確保することは非常に重要です。ここではIMSの制御区分について,非常停止の状態から再起動する際の手順の考え方を紹介します。この手順は,安全性はもちろん生産性にも影響してきます。

 この手順の中でも特に重要なのが,機械/装置を安全に起動可能な状態にする作業(リセット)です。リセットは,操作を誤った場合は起動しないなど,チェック機能を持つシステムにすべきです。チェック機能のないシステム,例えば人の操作だけでリセットが行えるシステムは,問題があります。加えて,制御区分で採用する安全方策は,危険事象のリスクの大きさに対して十分な安全性レベルのものでなければなりません。

〔以下,日経ものづくり2010年3月号に掲載〕

西原一寛(にしはら・いっかん)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
IDEC技術本部規格安全ソリューションセンター室長。各種検出制御機器・機械安全制御機器・防爆安全制御機器の製品開発および事業企画に従事。現在,安全関連の講演のほか,機械装置メーカー/ユーザーに対し,リスクアセスメント支援を行う。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
前田育男(まえだ・いくお)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
機械,制御,安全,防爆などに関する国際規格,欧州・北米各国規格/規制に基づく製品認証関連業務やリスクアセスメント支援に従事。現在,制御・安全技術に関するIEC(国際電気標準会議)の委員をはじめ,ロボット技術,防爆技術,機能安全技術,半導体製造装置関連の標準化活動に携わる。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
関野芳雄(せきの・よしお)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
安全制御設計技術者として多くの製品開発に携わり,現在は,グローバルに通用する本質安全設計/安全防護の考え方などの安全技術指導や安全システム設計に従事。ISOロボット安全規格作成の国際委員としての経験を基に,機械メーカー/ユーザーに対する各種リスクアセスメント支援を行う。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
岡田和也(おかだ・かずや)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
安全機器,システム,ネットワークなど,安全制御設計技術者としての経験を有し,現在は,ロボット制御セル生産システムのリスクアセスメントや安全システム設計に従事。ISOロボット安全規格の国際委員会委員,安全技術応用研究会専門委員会委員などの規格関連委員を務める。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。