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 福島県会津若松市にある福島県立会津工業高等学校は、1904年(明治37年)に福島県立工業学校として開校した。1929年(昭和4年)に会津工業学校、1948年(昭和23年)に福島県立会津工業高等学校と改称を重ね、2002年(平成14年)に創立100周年の記念式典を挙行した名門工業高校である。

 会津では地元の子供のことを「あいづっこ」と親しみを込めていうが、中学校や高校の卒業後にあいづっこが地元に残ることは、残念ながら少なくなった。しかし、もっと深刻なのは、あいづっこの就職先である地元企業や、大手メーカーの工場の閉鎖が相次ぐなど、卒業後の地元への進路も細る一方であることだ。

 そこで、このままではいけない、こちらから情報発信しなければと、あいづっこが立ち上がった。普通なら就職活動の一環として地元や都会の企業を回るところ、会津工業高校は直接技量を見てくれとばかり、何と「セミコン・ジャパン」に自らが開発した製品を出展したのだ。そして、それが奏効してか、2009年度の卒業生の就職先は100%決まっているという。

〔以下,日経ものづくり2010年4月号に掲載〕

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役
1951年生まれ。1988年システム・インテグレーション設立、代表取締役に。現在、40数社の顧問、NPO日本知的財産戦略協議会理事長、宇宙航空研究開発機構知財アドバイザー、日本特許情報機構理事、金沢大学や九州工業大学の客員教授などを務める。