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 1970年代に電機産業によって本格化した海外生産は、1980年代に自動車産業に波及し、それに伴って多くのサプライヤーも海を渡った。もう、かれこれ40年、人間で言えば不惑を迎えている。これら日本企業の海外展開は、計画通りうまくいっているのだろうか。

 ある研究によると、20年、30年かけて、国内のマザー工場の生産方式を現地にうまく移植した成功例もあるが、多くの日本企業がいまだに苦戦しているのが実情だという。これは筆者の実感とも一致する。国内のマザー工場では優れた結果を出しているのに、なぜ海外では苦戦するのか。なぜ生産方式を移植するのが困難なのか。その解を導き出すにはまず、日本の経営環境の特殊性を理解する必要がある。

〔以下、日経ものづくり2010年5月号に掲載〕

イラスト:城芽ハヤト

佐々木久臣(ささき・ひさおみ)
アリックスパートナーズ・アジア シニア・アドバイザー(元・いすゞ自動車 専務取締役)
1940年生まれ。1965年、東北大学工学部を卒業後、いすゞ自動車に入社。生産技術室係長、海外事業室長などを経て、2001年に専務取締役(生産部門統括)。2006年から現職。東京大学大学院経済学研究科特任研究員などを兼務。