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ある事務所でパソコン用モニターが突然発火した。火の勢いは激しさを増し、周辺にあったキーボードなどにも燃え広がる。連絡を受けて慌てて駆け付けた所有者が消火に当たったものの、モニターやキーボードは原形が分からなくなるほど焼損していた。

 消火活動が功を奏して、死傷者が出なかったのは不幸中の幸いだった。とはいえ、筆者はこれまでにモニターの火災事故の現場に何度も立ち会ってきたが、これほど激しく燃えた事例は見たことがない。そこで、この火災について「発火した原因は何か」「再発防止策としてはどのようなことが考えられるか」という2つの観点から調査を行った。

 モニターは、大きさが17型の液晶パネルに支持機構が付いた標準的な製品。スリム型(省設置スペース型)のデスクトップ・パソコンをつないで使っていた。パソコンの用途も、各種営業データの閲覧/処理/保存といった一般的なものだ。

 事故後のモニターは、支持機構が溶けて折れ曲がり、画面を天井に向ける形で倒れていた。パネルには、中央下部から左上隅に向かってひび割れの線が何本も走っていて、特に中央部付近は完全に割れていた(図)。割れた部分から中をのぞいたところ、内部にも燃えた形跡が見られた。一方、パネルの右半分は比較的原形をとどめていた。

〔以下、日経ものづくり2010年6月号に掲載〕

図●モニターの表示面
パネルには、何本もひび割れの線が見られる。枠も外れてしまった。