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 クリーンルームの空気清浄度は、数字が小さければ小さいだけ中の空気はキレイという指標(クラス)で表される。規格によって基準となる体積や粒径などが異なるが、多く使われている米国規格(U.S. Federal Standard 209E)の「クラス100」なら、1辺が1フィートの立方体の中に粒径0.5μmの塵埃が最大で100個しかないということだ。

 クリーンルームのメーカーは、空気清浄度をいかに上げるかに力を注ぐ。それが技術力であり、競争力の原点だからである。従って、キレイな環境を保つことが重要になり、販売する製品もクリーンルーム関連に特化するのが一般的だ。

 逆に、空気清浄度を条件としない多数の塵埃を含むようなタフな環境で使う製品を扱っているメーカーがクリーンルームを造ってくれと言われて、はいどうぞ、とはいかない。中でも、クラス100以上のクリーンルーム内で使う製品は、かなりハードルが高いのだ。

 つまり、キレイとタフの両方を扱えるメーカーは少ない。いや、筆者は出会ったことがないので、ほとんどないのではなかろうか。

 具体的に言えば、クラス100の半導体製造用クリーンルームを手掛けるメーカーが、鉄鋼製品用ラインを造ることができるのかということだ。鉄鋼製品を造るラインで空気清浄度が問題になることはないのだが、多分、100万は下らない。1000万以上、もしかして億を超えるのかもしれないが、いずれにしても、その両方をこなせるメーカーは超少ない。

 ところが、今回訪問した玉川エンジニアリング(本社福島県会津若松市)は、このように考えていた筆者に、事もなげに「両方できる」と言ったのである。しかも同社は、キレイかタフかだけではなく、頑強なメカから微細なハンドリング技術や電源技術、そして制御系からシステムまで、実に幅広の技術を持つエンジニアリング会社なのである。

〔以下、日経ものづくり2010年7月号に掲載〕

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役
1951年生まれ。1988年システム・インテグレーション設立、代表取締役に。現在、40数社の顧問、日本知的財産戦略協議会理事長、宇宙航空研究開発機構知財アドバイザー、日本特許情報機構理事、金沢大学や九州工業大学の客員教授などを務める。