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建設現場などの仮設資材レンタルを手掛ける日本セイフティーは、排せつ物を個別にフィルムで包んで密封するユニークな介護用トイレを発売した。その実現のカギは、通帳記帳機などを製造する新興製作所と連携し、同社の紙送り技術を生かすことだった。

 日本セイフティー(本社東京)ラップポン営業部の小口千尋氏は2007年3月、能登半島地震発生直後の被災地にいた。同社の自動ラップ式トイレ「ラップポン」を避難所などに設置するためだ(図)。

 ラップポンは介護分野を主要用途として開発した可搬型トイレだが、災害時の非常用トイレとしても使える。地震の報を受け、同社代表取締役社長(当時、現在は同会長)の西田弘氏の指示で社員らが急きょ、避難所などの支援に動いたのである。

 日本セイフティーの主力事業は、建設現場などで使われる仮設のフェンスやゲートなどのレンタルで、売上高は100億2000万円(2009年9月期)。最近、建設工事で現場を囲うフェンスに絵が描かれているものを見掛けるが、これを始めたのが同社だという。そん同社が介護用トイレに参入したのは、西田氏自身が身近な人の介護を経験して、使い勝手の良い介護用トイレの切実なニーズを強く感じたためだった。本業で建設現場向け仮設トイレを扱った経験がそれを後押ししたのである。

〔以下、日経ものづくり2010年8月号に掲載〕

図●自動ラップ式介護用トイレ「ラップポン・キュービー」
室内に置いても違和感がないように家具調のデザインを採用した(a)。排せつ物は1回使うごとにフィルム袋に密閉される(b)。価格は27万9300円(税込み)。能登半島地震や中越沖地震で無償提供したのは、これの前モデルに当たる「ラップポン・オリジン」。