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首掛け式の乳幼児用浮き輪(首浮き輪)を付けた乳幼児が、入浴中に溺れるという事故が多発している。適切に使用すれば顔が水中に沈んだり、首浮き輪が外れたりすることはないというが、果たして製品の安全対策は万全だったのだろうか…。

 2012年6月2日、首浮き輪を付けた生後4カ月の乳児が入浴中に一時窒息し、救急搬送されるという事故が発生した。乳児と一緒に入浴していた親が少しの間、目を離した隙のことだった。

 この事故以外にも、首浮き輪を付けた乳児が溺れるという事故が多発している。例えば2012年2月1日に発生した事故では、首浮き輪を付けた乳児(6カ月)が溺れた。親が数分間目を離した後に気がつくと、乳児の顔が浮き輪から下がり、鼻の下まで湯に浸かっていたという。

首浮き輪とは

 首浮き輪は円環状の一般的な浮き輪と異なり、装着性を考えて円環の一部が切り離されたC字形になっている(図)。この切り離された部分(開口部)を乳幼児の後ろになるように取り付け、開口部の上下にあるベルトをはめて使用する。使用できる目安は、例えば「スイマーバ うきわ首リング」という商品の場合には、生後18カ月、かつ体重11kgまでだ(販売価格は約3000円)。

 本来、首浮き輪はプレスイミング(乳幼児が水に親しむことを目的としたもの)用に作られた「浮き輪型のスポーツ知育道具」という位置付けの製品だ。同製品のパッケージなどには「命の維持や溺れることを防止するなど、救命用に作られたものではありません」と記載されている。

 ところが、日本では入浴中に多用されているという実態がある。親が自分自身の洗髪をしたり、他の子どもの世話をしたりするためである。「少しの間目を離しても安全なはず」と親が思ってしまったわけだ。

〔以下,日経ものづくり2012年10月号に掲載〕

図●首浮き輪の構造
図●首浮き輪の構造
円環の一部が分離したC字状になっており、上下2つのベルトで結合する。使用時には、後頭部がベルト側にくるように装着する。