パナソニックグループのエナジー社は、2013年2月に米国で開催された車載電池の国際会議「AABC(AdvancedAutomotive Battery Conference)2013」で、減速エネルギを回生する機能に使えるNi-MH2次電池を開発したと発表した(図1)。比較的低いコストで、車両の燃費を5~10%程度高められる。2014年ごろの実用化を目指す。
新しく開発したNi-MH2次電池は、現行の鉛2次電池と組み合わせて使う(図2)。オルタネータで減速エネルギを回生してNi-MH2次電池に蓄え、電装品の駆動などに使うことで燃費を高められる。加えて、鉛2次電池の負担が減るので寿命を延ばせる利点がある。
最近、エンジン車で減速エネルギを回生する機能を採用するメーカーが増えている。2次電池の種類は各社各様で、スズキは「ワゴンR」に鉛2次電池とLiイオン2次電池、日産自動車は「セレナ」に鉛2次電池2個、マツダは「アテンザ」に鉛2次電池と電気二重層キャパシタ(EDLC)を使う。なおセレナの場合は、回生機能に加えて駆動力を補う機能がある。
このうちEDLCを使う場合と比べたNi-MH2次電池を使う利点は、部品コストが低いことだ。2次電池そのものの価格が低いことに加えて、電圧を昇降圧するDC-DCコンバータがいらない。

