中国で第一汽車と長安汽車という二つのパートナーを持つマツダは、震災の影響やモデル構成の問題から、直近では販売台数が低迷している。しかし、2012年11月に長安マツダ汽車と長安フォード汽車の独立存続が決まり、2013年には「CX-5」や新型「アテンザ」の現地生産を始め、巻き返しを図る(図1)。マツダの中国戦略を探った。
中国市場での日本車販売は、2012年9月の反日運動で大きな打撃を受けた。中国汽車工業協会のデータによると、直近の2013年1~3月期で乗用車市場における日系ブランドのシェアは15.8%と、中国系ブランドと欧州系ブランドに次ぐ規模である〔図2(a)〕。
だが、販売台数の前年同月比では欧州系、韓国系ブランドが3割、米国系、中国系ブランドが2割増やす中で、日系ブランドは1.6割減と厳しい結果となった。特に12.4 %のシェアがあり、日系ブランドが得意とするDセグメントでは約2割減だった〔図2(b)〕。
本田技研工業(中国)総経理の倉石誠司氏は「(昨年9月以降)日本製品の不買運動があったわけではない。ただ日本車に乗っていると、襲われるのではという精神的不安があった」と、当時を振り返る。
