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使った!編:「CubeX」操作体験レポート
設定の巧拙で造形品質が変わる

 10万円台から購入できる低価格機が登場したことで、3Dプリンタは非常に身近な装置になった。今後、製造業において「設計者1人に1台」の時代が来るかもしれない。ただし、既に普及している家庭用のインクジェットプリンタと違って、ある程度の事前準備や事後処理が必要になる。設定によって造形物の品質も変わってくる。実際、記者が3Dプリンタを試してみた。

サンプルデータでまずは造形

 今回、挑戦したのは米3D Systems社の「CubeX」(図1)。2013年6月に出荷開始されたばかりの新製品だ。価格は約40万~50万円と個人が買うには安くないが、注文が殺到しているという。販売代理店の1社である武藤工業から実機を借り、実際に3Dプリンタで造形した。

 本来は、梱包から取り出して輸送時の破損を防ぐための緩衝材を取り除いたり、材料カートリッジやテーブル(造形物を載せる板)などの部品を取り付けたりといった準備作業が必要だが、今回はこうしたセッティング作業については割愛する。装置には工具箱が付属しており、これらの作業には工具が必要となるものも少なくない(図2)。

 さて、造形を始めるには3Dデータが必要だ。付属のUSBメモリーには複数のテストデータが入っているので、まずはその1つ(プロペラ)を造形することにした。大きさは、直径が約34mm、高さが約29mmである。

 テストデータはSTL形式で保存されており、これをそのまま3Dプリンタに読み込ませても動作しない。機械の動作を制御するコードに変換しなくてはならないのだ。そこで、付属のコンバート・ソフトをパソコンにインストールして立ち上げ、目的のSTLファイルを読み込む*1

 すると画面上に、テーブルの形状と同じ台の上に載った赤い3Dモデルが現れる(図3)。向きや位置は自動的に調整されるが、これらや大きさを変更したい場合には画面上部にあるメニューを使って平行移動や回転、拡大/縮小をすればよい。

 向きや大きさに問題がなければ、「Build」ボタンをクリックする。するとポップアップ・ウインドウが表示される。ここで積層厚さ、密度、「ラフト」と呼ばれる土台部の有無や材料などを選ぶ。今回は積層厚さ0.1mm、密度は4段階で最も高いレベル、ラフトはなしとした。

〔以下、日経ものづくり2013年8月号に掲載〕

図1●操作体験した3Dプリンタ「CubeX」
図1●操作体験した3Dプリンタ「CubeX」
図2●付属の工具
図2●付属の工具
造形物をテーブルから分離したり線材を切断したりする造形プロセスだけではなく、機械の調整などにも工具が必要となる。
図3●変換ソフトの画面
STLファイルを読み込んで、使用する材料や積層厚さなどの条件を設定した上で3Dプリンタ制御用のファイルを生成する。
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*1 USBメモリーにインストーラが入っている。米3D Systems社のWebサイト「Cubify」からダウンロードすることも可能だ。