PR

シェールガスは中味が違う

 樹脂などの多くの有機材料の製造は、ナフサ、石油随伴ガス、天然ガス(シェールガス)などの分解・分留から始まる*1。こうして得られたエチレン、プロピレン、ブタン、ベンゼン類などを原料とし、さまざまな化学反応を経て製造される。

 樹脂は、モノマ(単分子)である基礎化学品を、化学反応によって連結(重合)させて長大なポリマ(高分子)にしたものだ。例えば、PPは多数のプロピレンがつながった構造をしている〔図2(a)〕。純粋なPPの場合、原料はプロピレン1種類なのでシンプルだが、PSはエチレンとベンゼンからまずスチレンを造り、そのスチレンを重合させてPSにする必要がある〔図2(b)〕。

〔以下、日経ものづくり2013年10月号に掲載〕

図中の数字は新設されるエチレンプラントの年間生産能力。この他、立地が未定の年産150万t/年のプラントが2つある。これら8つのうち6つが2016~2018年に稼働する予定だ。さらに既存プラントの再稼働・増設分もあるので、今後数年間の米国におけるエチレン増強分は約1200万t/年となる。これは、日本国内の2012年のエチレン生産量の約2倍に当たる。 経済産業省の資料「世界の石油化学製品の今後の需給動向(対象期間2004~2017年)」を基に本誌が作成。
[画像のクリックで拡大表示]
図1●ブリヂストンは新製法の合成ゴムでタイヤを試作
図1●ブリヂストンは新製法の合成ゴムでタイヤを試作
(a)はバイオエタノールからブタジエンを経て造ったスチレン・ブタジエン(SB)ゴム。(b)は、そのSBゴムを使って試作したタイヤ。このタイヤは、他にも多くの再生可能原料を活用している。
表1●シェールガスの主な成分とその誘導品
表中の略号は以下の通り。ABS:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、EPDM:エチレン・プロピレン・ジエンゴム、EVOH:エチレン- ビニルアルコール共重合体、PA:ポリアミド、PC:ポリカーボネート、PE:ポリエチレン、PET:ポリエチレン・テレフタレート、PMMA:ポリメチル・メタクリレート、PS:ポリスチレン、PVA:ポリビニル・アルコール、PVC:ポリ塩化ビニル、SB:スチレンブタジエン。
[画像のクリックで拡大表示]

*1 日本の化学コンビナートは、原油精製のプロセスで出てくるナフサを出発原料にしている。ナフサはブタジエンやベンゼン類を比較的多く含む。米国の化学コンビナートは、シェール革命以前から天然ガスを出発原料とするものが多く、近年増設が進んだ中東の化学コンビナートも天然ガスと組成が似ている石油随伴ガスを出発原料としている。大型設備を次々と稼働させている中国や東アジア、欧州はナフサを出発原料とする設備が多い。