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 「Windows 8.1」の投入に合わせて、2013年の冬商戦向けのノートパソコン(PC)が相次いで発表になった。新モデルは、耐衝撃性や軽さ、防水性能など、各社がそれぞれ得意技術を生かしてハードウエア面で差異化を図っている。

4点支持でHDDを浮かす

 例えば、レノボ・ジャパン(本社東京)の法人向けノートPC「ThinkPad」の「W」「T」「L」「X」シリーズの新モデルは、耐衝撃性の向上と薄型化を両立させたのが特徴だ。その具体的な取り組みの1つが、ハードディスク駆動装置(HDD)の支持方法にある。同社が「ASF(Anti-Shock Floating)」と名付けた構造では、樹脂製のコの字形ブラケットの内面に4本のピンを持つエラストマ製の部品を貼り付け、このピンをHDD本体に差し込んである(図1)。つまり、4本のピンで支持されたHDDが浮いたような状態となっているわけだ。HDDマウントの厚さを前モデルよりも1.6mm薄くしつつ落下時などの衝撃を43%低減できる。従来は、HDDの筐体側面を左右から覆うように2つのゴム部品を取り付けて支持し、衝撃を吸収していた。

 ASFのピンの変形で吸収しきれない衝撃については、左右前後方向はブラケット内面のエラストマ部品で、上方向はマグネシウム(Mg)合金製ロールケージのハニカム構造で、下方向はガラス繊維強化樹脂製のカバー内側のスポンジで吸収する。加えて、本体底面のゴム足に中空構造を採用した。中実構造の前モデルと比べて5%の衝撃低減を実現し、寒冷地などゴムが硬くなる場所でも耐衝撃性を確保できる*1

 
〔以下、日経ものづくり2013年11月号に掲載〕

図1●レノボが新モデルで採用したHDDのマウント方式「ASF」
図1●レノボが新モデルで採用したHDDのマウント方式「ASF」
左がX240のASFで、右がゴムで覆った前モデルのもの(a)。ASFは、コの字形ブラケットの内側に、4本のピン(黄色で囲んだ部分)を持ったエラストマ製の部品を貼り付けてある(b)。

*1 この他Xシリーズの新モデル「ThinkPad X240」では、[1]ボトムカバー全体で取り外し可能な構造を採用、[2]トラックポイントの制御基板をセンサと分離してスペースキーの裏側に配置、[3]搭載部品と回路の見直しにより基板の面積を26%、質量を37%それぞれ削減、など薄型化と軽量化を実現している。