第19回国際プラスチック・ゴム専門見本市「K2013」が2013年10月16~23日にドイツ・デュッセルドルフで開催された(図1)。樹脂の強度向上による軽量化、バイオプラスチックの普及が一段と進む中で、筆者が注目した技術を中心に紹介したい。
長さ8mmの長繊維で強化
樹脂を繊維で強化し、強度を高めて軽量化する技術の1つが、ガラス長繊維(LFT)の応用である。独Arburg社が出展した射出成形機は、LFTを巻き取りリールから加熱シリンダへ直接供給する仕組みを備える。展示では、樹脂がほぼ溶融したところ、すなわちスクリュの最後の先端部くらいの位置にLFTを送り込むように見えた。成形品には、8mm程度の繊維が長いまま含まれているのが見えており、強度が大幅に向上している。応用としては比較的大型のもの、例えば自動車であればバンパやドアモジュールなど、その他航空機や鉄道などの内装部品の軽量化を狙っていると思われる。
高強度による軽量化といえば炭素繊維強化樹脂(CFRP)が主役本命と思われている。しかしコストが高い。既にさまざまな分野で使われているガラス繊維強化樹脂は低コストだが、比重が大きく現状のままでは軽量化の効果が限られている。LFTは、これらの課題を解決できる可能性がある。
〔以下、日経ものづくり2013年12月号に掲載〕
