「うわっ」と、見る人が思わず声を上げるビアサーバー「トルネード・ディスペンサー」。サーバーから突き出ているノズルにジョッキの下部側面にある逆止弁をはめ込むと、ジョッキの底からふわふわと白い泡が現れ、次いで金色の液体が渦を巻きながら湧き上がる。このサーバーは、アサヒビールがビールの販売先店舗の売上促進を図るために2012年に開発したものだ*。当初は樹脂製カップのみに対応していたが、消費者からの「ジョッキで乾杯したい」との強い要望に応えて2013年、ジョッキ対応を決めた。
ただし、このジョッキ対応を実現するには、大きく2つの課題を解決しなければならなかった。それは、次のどれとどれ?
〔以下、日経ものづくり2014年1月号に掲載〕
* 2010年にドイツで開催された醸造飲料生産者向けの展示会「BRAUBEviale」で英国メーカーが展示していたサーバーをベースに、アサヒビールが国内向けにカスタマイズした。2013年4月から提供を始めた新型サーバーと専用ジョッキの開発は、アサヒビールが担当した。