CNC工作機械向けに、新しい精密位置決めスイッチが伸びている。メトロール(本社東京都立川市)が開発した「エアマイクロスイッチ」だ(図1)。同スイッチは圧縮空気を利用した精密機械式スイッチで、ワークをチャックする際に切粉やバリを挟み込んで浮き上がったり傾いたりするチャック不良を未然に検出する。最大の特徴は、何より計測精度が高いこと。従来のエアセンサの30μm程度に対し、新しい精密機械式スイッチでは±1μmと優れる。
こうしたエアマイクロスイッチの需要が急拡大している理由について、同社代表取締役の松橋卓司氏は、「生産のグローバル化が進む中、日本市場ではより精密な加工が志向されてきているため」と分析する。
ユーザーが検知精度を評価
実際、超精密加工を実現するために、エアマイクロスイッチを導入したのが、戸田精機(本社奈良県生駒市)である。実は、同社は以前、本誌で「角穴を放電加工ではなく切削加工で手掛ける」と紹介した、実力派の加工メーカーだ1)。そんな同社はエアマイクロスイッチの採用に当たって、新旧スイッチの検知精度を測定する実験を実施している。今回、その結果を本誌に明かしてくれた。
〔以下、日経ものづくり2014年1月号に掲載〕

参考文献:1)中山ほか,「つくり方の常識 大転換」,『日経ものづくり』,2010年10月号,pp.57-59.