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「デジタル家電バブルがはじけたかのような見方は的を射ていない。大半の電子機器や電子部品と異なり,デジタル家電は2005年も海外の需要を取り込みながらさらなる成長が見込める。」(ソニー 取締役 代表執行役 社長の安藤国威氏)。

 薄型テレビとデジタル・カメラ,DVDレコーダの,いわゆる新・三種の神器。日経マーケット・アクセスによれば2005年の世界生産台数はそれぞれ,2004年に比べて1.6倍,1.1倍,1.7倍に伸びる見込みだ。2003年実績と比べると実に薄型テレビで3.3倍,デジタル・カメラは1.6倍,DVDレコーダが3.5倍である。2004年に1億7000万台に達したカメラ付き携帯電話機の世界生産台数も衰える様子はない。2005年には前年比1.3倍の2億2280万台になる。高成長を続けるこれら4種類のデジタル民生機器を,ここでは「デジタル4品目」と呼ぶ。

 市場の堅調な伸びを受け,日本の電子産業を支える柱としてデジタル4品目が果たす役割は今後も大きくなる。電子技術情報産業協会(JEITA)がまとめた予測によると,電子機器の国内生産金額の中で,デジタル4品目が占める割合は,2004年の32%から2005年には35%にまで増える見通しである。

テレビ受像機
予想を超えた単価下落 リスクを背負い勝負を賭ける

 2004年,液晶やPDPといった薄型テレビの平均単価の下落は,国内の各テレビ・メーカーの事前の予測を大幅に上回った。例えば松下電器産業のPDPテレビの平均出荷単価は,2004年10月~12月に前年同期比で25%下落した。同社は2004年5月時点で下落率を15%~20%減とみていた。シャープの液晶テレビは,同一画面サイズ品の店頭価格が2004年4月~9月に,前年同期比で「平均3割安くなった」(同社)。3割という下落率は2004年春時点で液晶テレビ・メーカーが見込んでいた2倍近い値である。
 こうした急激な価格低下は,各テレビ・メーカーに戦略の見直しを迫った。

携帯電話機
海外3G端末の出荷が本格化 韓国勢と激しい競争

日本メーカーによる海外向けの第3世代携帯電話(3G)端末の供給が本格的に始まった。シャープは,日欧13カ国で3Gを本格展開する英Vodafone Group Plcに向け2機種を供給する。このうち「Vodafone 902SH」は,欧州初の200万画素カメラ・モジュール付きという触れ込みである。三洋電機は従来,北米向けのCDMA端末のみ手掛けていたが,新たに欧州の大手事業者の1つであるフランスOrange PCS社と,香港のSmarTone Mobile Communications Ltd.へW—CDMA端末を供給する。
 こうした3G端末供給の特徴は,サービスを手掛ける海外の事業者が,日本の端末メーカーを戦略的なパートナーと位置付けている点である。

デジタル・カメラ
見えてきた2兆円市場 単価の下落率は5%減に縮小

世界出荷台数の伸びと平均単価の下落幅減少に支えられて,デジタル・カメラの世界出荷金額は2005年にも年間2兆円規模に達する——。2004年の出荷実績はこうした可能性を示した。カメラ映像機器工業会によると2004年10月までの12カ月間における世界出荷金額は対前年同期比31%増の1兆5159億円に達した。2004年には成長が鈍化すると危惧されたデジタル・カメラだが,ふたを開けてみれば31%増と高い伸び率を保った。
 2004年に迫る成長は2005年以降も続く。そう考えられる材料は大きく2つある。