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直言
中国民営中小企業の登場と成長


 中国で中小企業といえば,農村から立ち上がり,1980年代を彩った「郷鎮企業」が知られる。だが,地方政府主導による「蘇南モデル郷鎮企業」は既にない。蘇州,無錫などでは「郷鎮企業は第2の国有企業。すべて民営企業に変わった」と言われてしまう。また,これまで著名な民営企業には地方政府などの怪しげな影がチラついていたが,2000年代に入り,まともな民営中小企業が生まれつつある。

 大連で訪れた「芸精密模塑製造」の経営者・呉建川氏(1938年生まれ)の生きざまは衝撃的であった。同氏は,大学卒業後,大連の国有企業で金型技術者として働いていた。1980年代の中頃に日本に視察に行く機会を得たが,金型工場の機械設備を見て衝撃を受けた。「これからの金型は数千万円もする機械で造るのか。中国は数十年遅れている」と痛感した。