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特集
京都議定書攻略法 省エネでしかも・・・


 2005年2月16日,京都議定書が発効する。世界の二酸化炭素(CO2)の36%(2000年現在)を排出する米国が参加しないという中途半端なスタートに対し「意味があるのか」という議論はあるのだが,それには触れないでおこう。悪法も法は法だ。

 日本はCO2の排出量を1990年に対して6%減らす義務を負うことになる。環境税になるか炭素税になるか,どんな形かは分からないが,近い将来,具体的な規制が掛かるだろう。

 メーカーにとって規制強化やルール変更,外圧はビジネスチャンスである。排ガス規制をチャンスとして成長してきた日本の自動車産業の例を見ると良く分かる。「経済に打撃」「黒船襲来」と騒いでは見せるものの,結果としてプラスにするのが技術者のウデだ。

 ただし,「それではCO2排出量の少ない製品を出しましょう」は正解ではない。そんなことは誰でも考えるから泥仕合になるだけだ。“京都議定書ビジネス”に勝つためには「環境・プラスアルファ」の魅力が決め手だ。(浜田基彦)

【デンソー】
環境にも懐にも優しいエジェクタサイクル冷凍機

 「地球温暖化防止」という「公」のニーズをユーザーの「私」のニーズに転換する一番の王道は経済性だろう。燃料費が高ければ「節約」という経済的に正しい行動がそのまま地球を守ることになる。「エコ」と「エゴ」がぴったり合う。

【ホンダ】
踏んでもすごいんです アコード ハイブリッド

 ホンダは,ハイブリッド車の3機種目となる「アコード ハイブリッド」を2004年12月10日に米国で発売した。基本モデルと同じエンジンを使うハイブリッド車だ。つまりモータの分だけ力は上乗せになる。実はこの点で史上初だ。

【神鋼電機】
見た目だって,機能のうち 垂直軸風車

 神鋼電機の技術者,大久保和夫(敬称略)は小さな垂直軸の風車が商品になると考えた。ところが会社は全社を挙げて開発しようとはしない。仕方なく工場の片隅でコツコツと試作を始めた。初めは一人きり,しばらくしてやっと助手がついて二人になった。「あれは趣味」と,後ろ指を指されながら実用化にこぎ着けた—ここまでは聞いたことのある成功談だ。聞いたことのない点が一つある。大久保がただの技術者でないこと。その時既に神鋼電機の副社長だったのである。

【TOTO】
モノジェネでいける効率 固体電解質型燃料電池

 TOTOはSOFC(固体酸化物型燃料電池)で発電効率55%を達成し,3000時間の耐久性を確認した。55%,3000時間それぞれはチャンピオンデータではないが,この双方を両立させたのは世界でも例がない。
 発電効率が55%あると,インバータや補機の損失も含めた送電端効率で40~45%といった数字が射程に入る。送電端効率が40%を超えてくると,燃料電池の位置付けがガラッと変わる。

【トヨタ車体】
剛性4倍のプラスチック ケナフ強化ケナフ

 植物からできる燃料や原料を使えばCO2の排出量を減らせる。中にあるCは空気中のCO2を光合成で固定したCだから,燃やしてCO2になったとしてもプラスマイナスゼロ。「カーボンニュートラル」という考え方である。石油系の材料から代替すればCO2排出量はマイナスになる。
 そうした文脈で「ケナフ」が注目されている。一年草植物で,CO2を大量に吸収しながら成長する。4カ月で高さ3~4mにもなるという。
 ただし,今までにあったケナフ応用製品は専ら環境志向。ケナフ製であること,カーボンニュートラルであること自体が売り物であり,ほかの要素は二の次だった。