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特報
アスパルテーム訴訟,発明者は勝ったのか

技術者と企業のWin-Win関係を考える

味の素の人工甘味料「アスパルテーム」の製造法に関する職務発明訴訟が和解した。和解金は1億5000万円。確定した同訴訟の中で企業が発明者に対して支払う最高額となった。この金額を算出するベースとなったと見られる東京地裁の一審判決が,今後の職務発明訴訟に影響を及ぼす可能性がある。だが,同訴訟には課題が多いことも事実。それを放置したままでは,企業だけでなく発明者にとってもマイナスになりかねない。

 意外な結末だった。2004年11月19日,高額の相当の対価(相当対価)を争う職務発明訴訟の一つとして有名な「アスパルテーム」訴訟において和解が成立したと味の素が発表したのだ。和解金は1億5000万円だった。

 アスパルテームは業務用にはその名称で,家庭向けには「パルスイート」ブランドとして同社が販売する人工甘味料。砂糖の200倍の甘さを持つことから,摂取量を減らして低カロリーを実現する。

 この訴訟は,アスパルテームの製造工程の一部である「晶析工程」の発明に関するもの。詳しくは,原料溶液からアスパルテームの結晶を析出させる「静置晶析装置」の特許(静置晶析法特許)をめぐる争いだ。6人が共同発明者として名を連ねるこの特許を味の素は1982年に出願した。そして,2002年9月,この共同発明者の1人である成瀬昌芳氏が,相当対価の一部として20億円の支払いを味の素に求めてこの訴訟を起こした。