米国の産業界,大学が,国家レベルでの新たな産業強化策を打ち出した。米国内産業の現状を分析し,21世紀における新しい産業政策を提言したレポート「Innovate America」注1)である。産学の代表から成る米国競争力評議会が2004年12月に発表した。停滞感のある既成産業の限界を打ち破る,“イノベーション国家”を目指し,急速な経済成長を遂げつつある中国やインドなどのアジア諸国からの逃げ切りを図る。今回の発表を受けて,日本の産業競争力強化の取り組みの遅れを懸念する声が出始めている。

第1に人材育成
 「Innovate America」は,米IBM Corp.のCEO(Chief Executive Officer)であるSamuel J. Palmisano氏とGeorgia Institute of TechnologyのPresidentであるG. Wayne Clough氏を中心に,産学の代表者で構成するメンバーがまとめた。今回のレポート作成の背景には,中国やインドなどの急速な経済成長と,情報産業を中心とした米国内産業に漂う停滞感に対する危機意識がある。