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 日立製作所と千住金属工業は,電子部品の内部接続に使うハンダを鉛(Pb)フリー化する技術を開発した。電子部品内部で使うハンダには溶融温度の高い材料を使う必要があるが,現時点では実用的なPbフリー・ハンダがない。こうした理由から電気・電子機器中の有害物質の使用を規制する,EU(欧州連合)の「RoHS指令」では電子部品の内部接続用ハンダ中のPbは,規制の対象外となっている。2006年7月に施行されるRoHS指令は4年に1度その内容が見直される。そのため,今回の日立製作所らの成果が代替し得る技術として認められれば,電子部品内部のハンダもPbフリー化の対象になる可能性が高い。このPbフリー・ハンダの特徴と開発に至った経緯,今後の課題について担当技術者などが解説する。(伊藤 大貴=本誌)

 日立製作所と千住金属工業は,Cu(銅)とSn(スズ)の複合材料から成る高温Pb(鉛)フリー・ハンダを開発した。加熱する前はペースト状態になっており,粒径が15μm程度のCuとSnが混合・分散され,それぞれが独立して存在していることが特徴だ。

 我々は今回の開発に際して,CuとSnの融点が大きく異なる点に注目した。加熱すると融点が約+232℃と低いSnが溶け,被接続材へのハンダのぬれ性を確保する。同時に,溶融したSnがCuと反応し,Cu—Sn金属間化合物を生成する。このCu-Sn金属間化合物は溶融温度が約+400℃~約+700℃と高いため,ハンダ付け後の接続部の耐熱性は高い。開発した高温Pbフリー・ハンダのぬれ性は接続面積90%以上,せん断強度は+260℃下で最大約6MPaと従来のPb含有高温ハンダとほぼ同等の接続特性を有する。

 本技術は,電子部品の内部接続部のPbフリー化を可能にする。現時点では電子部品の内部接続に使うハンダについてはPbフリー化を実現する技術がないという理由から,EU(欧州連合)における電気・電子機器に含まれる有害物質の使用を規制する「RoHS指令」では除外項目となっている。ただしRoHS指令は4年ごとに内容を見直すことになっているため,現時点で規制対象外となっていても安心することはできない。