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 「対岸の火事とは思っていない。いつ我々にも火の粉が飛んでくるか分からない」(国内の大手パソコン・メーカー)--。松下電器産業がジャストシステムを相手取って起こしていた特許訴訟で,東京地方裁判所は2005年2月1日,松下電器産業の主張を認める判決を下した。同社が特許侵害と訴えたのはジャストシステムのワープロ・ソフト「一太郎」と画像処理ソフト「花子」。これらに実装されている「バルーン・ヘルプ」と呼ぶ機能が,松下電器産業の特許に抵触するとの判断だ。

 ジャストシステムは2005年2月7日現在,今回の判決に対して控訴する意向を示している。ただし,今後同社が係争を有利に進めるのは難しいとみる専門家は多い。「ソフトウエアにおける,一見簡単で誰でも思い付きそうな機能であっても,その新規性や進歩性を否定できる材料を見つけるのは,事のほか難しい」(虎ノ門南法律事務所 弁護士の椙山敬士氏)。

 多くのパソコン・メーカーやソフトウエア・メーカーは,この係争の行方をかたずをのんで見守る。訴訟の結果次第では,松下電器産業が他のパソコン・メーカーやソフトウエア・ベンダーにもライセンス料の支払いを求める可能性があるからだ。一太郎や花子をプリインストールしたパソコンだけでなく,同様の機能を実装したソフトウエアなどに波及するかもしれない。