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詳報
日亜化学,「ニセモノ」対策で新展開 「敵」と結んで「敵」を討つ

競合の米Cree社に対して白色LED市場の参入を許した理由

 日亜化学工業は2005年2月10日,米Cree社との間で白色LEDの特許を含むクロスライセンスを新たに締結すると発表した。両社は2002年11月に青色LEDのベアチップ(チップ)の構造や製造に関してクロスライセンス締結していたが,白色LEDの特許は除外されていた。今回の契約では日亜化学工業が持つ白色LEDの基本特許に対し,Cree社は複数の特許を提供することに加えてライセンス料を支払う模様だ。
 このクロスライセンス契約の締結により,日亜化学工業はCree社が白色LED市場に参入する橋渡しをすることになる。これは一見“利敵行為”のようだが,背景には日亜化学工業のしたたかな二つの戦略がある。一つは,製品化で先行したことによるものづくり面での競争優位を生かし,白色LEDの競争でCree社に勝つことだ。Cree社が白色LEDの量産設備を整え,技術やノウハウも積み上げるのはこれからだ。
 もう一つは,知的財産権を侵害した製品,いわゆる「ニセモノ」対策である。現在,台湾などのメーカーがニセモノの白色LEDを大量生産し,急速な価格下落が続いている1)。こうした白色LEDメーカーは,青色LEDのチップメーカーからチップを購入し,自社でパッケージングして白色LEDを作る。知的財産権を重視する日亜化学工業は,権利を行使して台湾メーカーを提訴しているが,「ニセモノの白色LEDメーカーは,Cree社から青色LEDを大量に調達する。