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DRAMの二の舞は演じない
FPDに見る攻めの決断

2004年~2005年初頭にかけて,日本の大手家電メーカーはPDPや液晶といったフラットパネル・ディスプレイ(FPD)事業の強化に向け,思い切った決断を下した。大規模な投資をして大幅な増産が可能な工場の建設に着手するとともに,FPDの競争力の強化に向けた合従連衡を一気に推し進めたのである。

<体力>日本が育てたPDP/液晶
価格の下落と向き合う

薄型テレビが大画面化して市場を大きく伸ばすのはこれから。国内の家電メーカーにとって絶対に手放せない中核事業である。そのテレビ事業で主役であり続けるために,薄型パネルへの投資や事業統合を進める。目標は,規模の論理でコスト競争に負けない体制を整えて知恵の結集で勝ち残っていくことである。大規模な設備投資,技術者やノウハウの囲い込み,知的財産権の有効活用。この3本柱で,知恵の勝負に向けた足場は固まった。

<知力>コストダウン手法が転換
部材の一新を進める

PDPや液晶パネルのコストダウン手法が転換期を迎えている。従来までのコストダウン手法に限界が見え始めてきたためだ。そこで焦点になるのが,部品や材料の見直しである。部材メーカーを巻き込んで新たな手法の開発に知恵を絞る。PDPメーカーは,周辺回路の見直しなどで2007年~2008年までに材料費を現在の半分にする。液晶パネル・メーカーも,ガラス基板の大型化に頼らずコストダウンを進める。

<決断>大画面市場への確信を
松下とシャープが語る

 950億円を投じたPDPの新工場を2005年11月に稼働させる松下電器産業。1500億円を投じた液晶パネルの新工場を2006年10月に立ち上げるシャープ。PDPと液晶パネルという異なる薄型テレビ向けパネルに対し,両社がそれぞれ大規模な投資に踏み切った背景には,意外なほど共通の思いがある。「より大画面のテレビ市場が拡大する」--。
 松下電器産業でAV機器事業を総括する大坪文雄氏(代表取締役専務 パナソニックAVCネットワークス社 社長),シャープの液晶パネル事業の責任者である中武成夫氏(専務取締役 液晶事業統轄 兼 AVC液晶事業本部長)は,薄型テレビ市場が拡大すると同時に,消費者は大画面志向になると確信する。
  • 「自らの手で1000万台市場に前倒し」
    大坪 文雄氏
    松下電器産業 代表取締役専務 パナソニックAVCネットワークス社 社長
  • 「合従連衡は望むところ」
    中武 成夫氏
    シャープ 専務取締役 液晶事業統括 兼 AVC液晶事業本部長