桜井 貴康
東京大学
国際・産学共同研究センター 教授
第1回から第4回までで,リーク電流による消費電力(リーク電力)の起源に始まり,その低減技術について述べてきた本誌。チップ上の回路ブロックやトランジスタ単位で複数のしきい値電圧や電源電圧を与える手法,つまり空間的にパラメータを変えてリーク電力を抑える手法について解説した。
今回から,時間的に電源電圧やしきい値電圧などを変えることによってリーク電力を低減する手法について述べる。最近では,この一連の手法のことを「適応制御(adaptive control)」と呼ぶことが多くなった。