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国内では特定の車種に限られていた車体外板の樹脂化の動きが急速に広がっている。突破口になっているのがバックドア。これまでは素材の価格が高いことがネックとなって採用が進まなかったが、軽量化の有効な手段として採用するケースが増えてきた。ほかにもモジュール化による製造工程の簡略化、デザインの自由度など、数々のメリットが認められ、コスト増という制約を克服しつつある。

 マツダ「プレマシー」、日産自動車「ラフェスタ」、富士重工業「R1」。2004年末から2005年にかけて発表されたこれらの新型車には共通点がある。「バックドア」の外板を鋼板でなく樹脂としているのだ。
 狙いの一つは軽量化。たとえばプレマシーの場合、バックドア全体の質量は23kgほどと、鋼板製に比べて3.2kg軽くできた。燃費に対する効果はもちろんのこと、ヨー慣性モーメントを減らせる、バックゲートの開閉操作が楽になるというメリットがある。
 単純に鋼板を樹脂に置換しただけでは、大きな軽量化効果はない。樹脂化と同時に複数の部品を一体化することで、さらなる軽量化が可能になる。例えば、これまでは別体だった外装部品(スポイラーやガーニッシュ)を樹脂部品に一体化することで軽くなるばかりでなく、製造工程を簡略化することで低コスト化も実現している。また、鋼板のプレス成形ではできない形状の自由度、ぶつけたときに凹みにくいといった樹脂ならではの特性もある。
 これまで樹脂の採用に関して欧州メーカーほど積極的でなかった国内完成車メーカーが樹脂製バックドアの採用を始めたのはなぜなのか。しかも車両価格が200万円を下回る普及価格帯の車種で。