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日経ものづくり 新しいTRIZ

新しいTRIZ

第3回

中川 徹 大阪学院大学 情報学部 教授

1970年代ロシア産の手法を
現在の西側諸国でも使いやすく

これまで2回にわたりTRIZの最新事情を紹介してきた。今回からは,日本におけるTRIZ研究の第一人者に,進化するTRIZの具体的な内容について解説してもらう。今回は,1970年代にロシアで確立されたTRIZを,より時代に即した使いやすいものにしていく取り組みとして,知識ベースの刷新と体系的技術革新について紹介してもらう。 (本誌)

 筆者はこれまで約8年にわたってTRIZの導入や教育にかかわってきた。その中で早くから確信したことは「TRIZが持っている技術方法論は,21世紀の技術革新を支える中核になる。この50年間,統計学と組織論が主導した品質管理/向上運動に,本質的な新しい技術革新の指導原理を与えている」ことである。
 だがその半面,TRIZは中身が非常に膨大であるため,その知識ベースの内容を学び,考え方を理解するには長い時間が必要である。ましてや,その神髄である「考える方法」を実際に身に付けるまでには,マンツーマンの訓練を受けるか,そうでなければ長期間の学習と実践が必要である。筆者自身も,考える方法の習得にこの8年をかけてきた。
 1990年代後半以来,米欧日では,ロシアで確立されたTRIZを丸ごと,IT技術(ソフトツール)と組み合わせて,トップダウンで導入しようとした。しかし,それらの取り組みはあまり成功したとはいえない。消化不良で,停滞・反動が生じた。