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日経ものづくり ドキュメント

レジェンドの開発 第4回

スペースを巡る攻防

これまでにないクルマには,新しい名前こそ相応しい。 新型車のコンセプトに絶対の自信を持つ齊藤政昭ら次世代高級セダン開発陣は, それまでの最高級セダン「レジェンド」に替わる機種名を検討する。 しかし急転直下,レジェンドの名を受け継ぐことが決まった。

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 ブランドともいうべき機種名は,検討事項のはずだった。少なくとも,齊藤政昭ら次世代高級セダンの開発陣は,そう思っていた。あの販社向けのイベントが開催されるまでは。
 あの日,ゲストを前に壇上であいさつするホンダ幹部の口を突いて出た言葉は,「レジェンド」を継承する,というもの。この瞬間,検討事項は一転,既成事実へと変わった。
「今から思えば当たり前のことでした。名前を変えるという発想はそもそも,3代目レジェンドに比べ,思い切り『走り』に振ってすべてを一新したクルマを造りたい,その際,レジェンドの名前から来る既成のイメージに縛られたくないという思いから生まれたもの。しかしそのクルマの市場を考えれば当然,乗り心地や静粛性といった『質』もこれまで以上に高いレベルで求められる。ブランド名を変えれば,そのしがらみから解放されるというのは甘い考え。何より,それは,レジェンドを待ち続けているお客さまに対する背信行為。そのことをあらためて思い知りました」