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米Texas Instruments Inc.のLarry J. Hornbeckが精魂を懸けて開発したミラー・デバイス「DMD」。フロント・プロジェクタに順調に採用され国内のテレビ・メーカーからの関心も日増しに高まる。リアプロへの利用もじわじわと進む。業務用のマルチ・ディスプレイでも果敢に実用化に挑戦したメーカーがあった。

「うーん,これはひょっとすると,すごいデバイスなのかもしれないな」

 三菱電機で,業務用のマルチ・ディスプレイの開発を担当していた寺本浩平。1993年5月--。偶然読んでいた雑誌の中にふと見つけた,米Texas Instruments Inc.(TI社)のDMD(digital micromirror device)に関する小さな小さな記事。読み飛ばしそうになった彼を引き止めたのは「Siウエハーを使う」というくだりだった。

「Siで製造できるということは大量生産時に低価格化できるということか。これは俺が待ち望んでいたデバイスの大転換なのかもしれない」