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日経ものづくり 詳報

中国の反日デモが日系メーカーに波及
明暗分けたコミュニケーション

太陽誘電の現地工場は,なぜ操業停止に追い込まれたか

 2005年4月に入り,中国で週末に3週連続で発生した反日デモ。成都で勃発したデモが次第に各都市に広がり,日本大使館にペットボトルや石を投げ込んだり,日本料理店や日系スーパーの窓ガラスが割られたり,日本人留学生が暴行を受けたりするなどの暴力行為を伴う大きな問題へと発展していった。
 この反日デモは日系メーカーの中国現地工場にも波及。4月16日に東莞にある太陽誘電の現地工場で従業員による反日デモが発生し,工場が操業停止となる事態に見舞われた。4月18日にはしんせんにあるユニデンの現地工場で,同じく従業員による大規模なストが発生して工場の生産がストップした。ほかにも,フジクラの現地工場が,トラブルを回避するために予定していた休日の操業を臨時で停止させたり,ミツミ電機の現地工場の周辺で数千人規模のデモが発生したり,キヤノンやフジクラの現地工場が投石され,窓ガラスが破損するなどの被害を受けたりした。
 このうち,太陽誘電で発生した反日デモは,待遇改善を求めた数百人程度の従業員の集会が,次第に「抑制日貨(日本製品のボイコット)」などを訴える2000人規模の反日デモへと発展したものだった。

職場放棄し2日連続の操業停止
 同社は中国に「東莞太陽誘電有限公司」と「太陽誘電(廣東)有限公司」の二つの隣接する現地工場を持つ。両工場では,携帯電話機やデジタルカメラなどに使用されるコンデンサやインダクタなどの電子部品を生産し,全世界に供給している。従業員は両工場で合計7000人余り。従業員の多くは,発展が遅れている中国の内陸部からの出稼ぎ組で,工場の隣接地に建つ寮で生活しているという。