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日経ものづくり 新しいTRIZ

新しいTRIZ

第4回 TRIZで考える方法のエッセンス

中川 徹 大阪学院大学 情報学部 教授

理想解を先にイメージし
矛盾を解決する

膨大なデータベースや数々の手法から成るTRIZ。だが,そのエッセンスは実はそれほど複雑ではない。簡単に言えば「問題をシステムとして理解し,理想解を最初にイメージし,矛盾を解決すること」である。今回は,TRIZの基本にある思想と思考法について,新しい研究も踏まえて紹介してもらう。(本誌)

 前回,1970年代に旧ソ連で確立されたTRIZが,最近の西側諸国での研究によってその全貌が理解されるようになり,またその知識ベースが大幅に刷新されたことを述べた。Darrell Mann氏とベルギーCREAX社を中心とする研究成果がその中心にあり,同氏の新しい教科書がそれを反映したものである。
 そこで今回は,これらの新しい研究を基盤として,TRIZにおける「考え方(基本にある思想と考える方法)」について説明しよう。

エッセンスは50語で示せる
 図は,筆者が2001年3月の「TRIZCON2001国際会議」で発表した英文のスライドを和訳したものである。Yuri Salamatov氏のTRIZ教科書を監訳した後のことで,同スライドでは「膨大な内容を持つTRIZも,そのエッセンスは実は簡単。英語なら50語で表現できる」と訴えた。
 TRIZには「技術」に対する独自の認識があり,その骨子は「技術システムが進化・発展する」というものである。ここで,単に「技術が進化する」と言わずに「技術システム」という言葉を使っている点が一つのポイントである。技術を「システム」ととらえ,その技術システムが大きな時間の流れの中で,歴史的に進化・発展すると考えている。

日経ものづくり新しいTRIZ
図●TRIZのエッセンス