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日経ものづくり 現代ものづくり考

カー・ナビゲーション・システム

インフォテインメント基地へ
クルマを進化

高村 敦(電通・消費者研究センター 主管)

 カーナビゲーション・システム(カーナビ)が売れている。ここ数年,国内出荷台数は2ケタベースで伸びており,2004年度も363万台,前年比120.8%と勢いは衰えを見せていない(電子情報技術産業協会調べ)。特に伸びているのはHDD内蔵型で,今後カーナビの高性能・多機能化はますます進むと思われる。特に純正型に押されつつある市販型は,不利な条件を克服すべくメーカー各社がさまざまな追加機能を研究開発し,それが熾烈な競争に拍車を掛けている。
 高度にデジタル化したカーナビは今や,ナビゲーションによる運転ストレス軽減のみならず音楽/映像再生,パソコン機能などを包含し,クルマをインフォテインメント(インフォメーション+エンターテインメント)基地化する根幹だ。こうした現状を見るにつけ筆者のような世代は,かつてはデザインや性能を吟味して選ぶ「男のあこがれ,カッコよさを象徴する」極めてハード的な商品であったクルマに対する価値観の様変わりを思わせる。
 中学生のころは,自動車雑誌を何冊も集めては友達とどのクルマがカッコいい,どのクルマは馬力がある,などと騒いでいたものだ。またバブルのころには,家が高くて買えない層は,その代替としてデザインの優れた輸入車を買ったといわれている。しかし現在,消費者がクルマに求めるのは個として,あるいは家族や友人と過ごす楽しさや情報エンターテインメントとしての空間創出であり,ハードからソフト的価値へとニーズの重心が大きくシフトしつつあるのではないだろうか。
日経ものづくり 現代ものづくり考
カー・ナビゲーション・システムの「INA-HD55」(上段右,アルパイン),「MAX950HD」(上段左,クラリオン),「CN-HDS955MD」(中段右,松下電器産業),「CU-9700MD」(中段左,三菱電機),「AVN8805HD」(下段右,富士通テン),「AVIC-ZH990MD」(下段左,パイオニア)