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日経ものづくり ITコンサル日記

先を見込んだIT導入
企業成長の基盤を確立

大黒 天馬 Ooguro Tenma
1964年生まれ。愛知県出身。大学卒業後,大手輸送機器メーカーに入社し,主に海外工場の生産システム立ち上げに従事。その後,SCMコンサルタントに転身,現在は大学講師,国内外企業へのITコンサルテーションなど幅広く活動中。


 常々,企業が成長する上では壁があると思っている。壁とは売上高を指し,1,3,5,8という数字(例えば10億円とか,300億円とか)が,よく経営者の前に立ちはだかる。
 この思いを,先日,懇意にしている上場企業の相談役に話したのだが,彼は興味深い昔話を披露してくれた。この相談役の会社,今では売上高3000億円に届くかという名だたる企業なのだが,30有余年前は,300億円規模だった。彼いわく,継続的な発展を実現するために,1000億円の壁に当たる前から,経営者として壁を乗り越えるための準備をしていたのだという。
 一般に,企業活動の根幹である生産や販売などの直接活動が停滞することが,企業成長の壁となる。多くの場合,経営規模の拡大に伴い生産に必要な調整作業が増加し,今まで軽微だったはずの間接的な活動に直接活動が忙殺されてしまう。
 工場を例に取れば,生産する機種が増加し,製品構成が複雑になるに伴い,ライン別の生産負荷調整に現場が手間取ったり,設計変更のたびに正確な部品の切り替え時期を確認するため担当者が工場内を駆け回ったりする。結局,そんな状態では正確な納期回答などできるわけもなく,営業に何度も納期訂正を連絡する羽目になり,混乱に拍車を掛ける。
 これらの問題を解決し,企業成長の壁を乗り越えるためには,一度,業務のスリム化,つまり本来の生産活動そのものに人的資源を集中させる必要が出てくるのだ。