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日経ものづくり 組み込みソフト玉手箱

第8回 第三者のレビューが手戻りを半減

情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター
田丸喜一郎

●不具合の発生は後工程に集中している
●しかも,過半数は工程内で検出できず,手戻りになる
●レビューの実施方法によっては,状況を大きく改善できる

 普段,料理などしたことのなかった娘が料理を作った。有名シェフの料理本を見ながら,忠実に再現してみたとのことだが悲惨な出来。味見というより毒見をさせられた家族も悲惨である。その原因はすぐに分かった。料理の途中で,火の通り具合も味見も全くしていなかったためであった。
 料理でも,あるいはメカ設計でも同じことだが,組み込みソフトの開発プロジェクトでも,開発工程ごとにレビューやインスペクションなどによって,その工程での作業が確実に完了しているかどうかを確認しながら進める。そうでないと品質を維持するのは困難だからだ。前回にも紹介した「2005年版組込みソフトウェア産業実態調査報告書」のプロジェクト責任者向けの調査結果から,組み込みソフトの開発プロジェクトにおける不具合の発生状況とレビュー/インスペクションの効果を見ていく。
不具合の平均総数は約280件
 組み込みソフトの一般的な開発工程は大きく7工程に分けられる。「企画・調査・要求獲得」「要求分析・仕様設計」「システム設計」「ソフト設計」「ソフト実装」「ソフトテスト」「システムテスト」である。通常は,「企画・調査・要求獲得」から順番に「システムテスト」まで工程を進めて開発完了となる。実際の開発では各工程で幾つもの不具合が発見され,その不具合を修正しながら開発を進めることになる。

日経ものづくり 組み込みソフト玉手箱
図●開発工程で発見される不具合の数
開発プロジェクトの途中で発生し,以後の工程で発見される不具合の平均総数は約280件に及ぶ。このうち約100件の発見はソフトテストの工程,約70件はソフト実装の工程のデバッグ作業,約60件はシステムテストの段階だった。(経済産業省「2005年版組込みソフトウェア産業実態調査報告書」)