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日経オートモーティブ 連載

車両用組み込みソフトの標準化・第1回

新連載

クルマを進化させる
ソフトの標準化

車両用組み込みソフトを標準化する団体が相次いで生まれている。車載ソフトを開発していたサプライヤーは、アプリケーションの開発に集中できるようになる。アプリケーションの機能/品質がソフトウエアの価値(サプライヤーの価値)を決める時代になる。

ベクター・ジャパン 組込ソフト部
青田 浩之


 現在のクルマは、機能別にさまざまなECU(Electronic Control Unit)を搭載している(図)。例えば、エンジンはエンジン専用ECUで制御し、ブレーキはブレーキ専用ECUで制御するのが当たり前になっている。
 それぞれの専用ECUに求められる機能は、高度化そして複雑化する方向にある。その一方で開発期間を短縮しつつ、さらなる信頼性を要求する圧力もある。これらを同時に満足させる方法の一つとして、ソフトウエアの再利用がある。プロセッサに依存しないようソフトウエアをモジュール化し、そのモジュールをライブラリ(汎用性のある関数やデータの集まり)として蓄積することで、同じ機能が必要な場合に繰り返して使うのである。特にOS(オペレーティング・システム)を使用する場合には、各種の要求機能を、実行単位ごとに分けた「タスク」として取り扱うことができるため、より再利用の幅が広がる。
 一方で、専用ECUの単独制御だけでは追い付かないような制御も増えている。例えば、クルマがスリップした際に車両の挙動を安定化させるような車両統合制御は、エンジン、変速機、そしてブレーキが相互に連携することで実現している。当然、その制御を実現するためには、それぞれの専用ECUがデータ通信して制御情報を交換している。このようなECU間の通信を実現させるためには、通信規約(プロトコル)とネットワーク管理(ECUが通信途絶した場合の扱い規約など)の統一が不可欠なのは言うまでもない。

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図●ECU搭載状況の例
最近のクルマでは、1車両で70種以上のECUを搭載する例もある。