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日経ものづくり プロジェクト管理

最終回

二つの軸でマトリクス組織を管理
個人レベルまで落とし込む

石橋良造
アジレント・テクノロジー
R&Dプロセスコンサルティング

メトリクスを利用したプロジェクト管理の仕組みを解説してきた本講座も最終回。メトリクスはプロジェクト活動を定量化した上で,加工した指標のこと。マトリクス組織における開発進ちょく管理や,個人の行動を改善するためにも活用できる。マトリクス組織では複雑な管理を強いられるため,メトリクスを使用する効果が高い。また,個々の役割を明確にするためにも,メトリクスによる可視化は重要だ。(本誌)


 前号では,メトリクスを利用したプロジェクトの進ちょく管理の仕組みを構築する方法を解説した。最終回の今号では,ここから少し範囲を広げたメトリクスの仕組みとして(1)マトリクス組織における開発進ちょく管理(2)個人の行動(振る舞い)へのフィードバック―の二つを紹介したい。

マトリクス組織での仕組み
 多くの開発組織では,プロジェクト軸と技術要素軸によるマトリクスの組織構成を取っている(図)。プロジェクト軸は,高機能型と普及機,あるいは国内向けと北米向けというような製品系列による分類。一方,技術要素軸は電子回路,機構,ソフトといった,開発に必要となる技術による分類である。マトリクス組織では,この両方の軸に責任者を置き,技術者は両方の軸の責任者から指示を受け,そして進ちょくを報告する。
 マトリクス組織にする理由は,プロジェクトごとに技術者を専任化したのでは製品開発をこなせないからである。技術者に同時に複数プロジェクトを担当してもらうことで,従来の技術者数で今まで以上の開発プロジェクト数をこなしたいのである。
日経ものづくり プロジェクト管理
図●プロジェクト軸と技術要素軸のマトリクス組織
プロジェクト単位の責任者(PMもしくはPL)と技術要素単位の責任者(GMもしくはGL)が存在し,技術者は両方の管理者の下で開発作業を実施する。組織上はGM/GLが直接上級マネジャーにつながっていることが多い。