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 24p—プログレッシブ方式で24フレーム/秒—で撮影できるデジタルHDビデオ・カメラを開発するには,ソニーの力だけでは足りなかった。彼らは,映画会社がカメラを使いこなすための環境を,他社と協力して整えなければならなかった。例えば,撮影したビデオ映像をフィルムに変換するテレシネ装置や,カメラと組み合わせて使うレンズの開発である。そのためにソニーは,オランダRoyal Philips Electronics社などの競合メーカーと力を合わせた。米Lucasfilm Ltd.と米LaserPacific Media Corp.という,映画産業やテレビ業界に大きな発言力を持つ顧客の要求が,普段は競い合う各社を一致団結させた。

 カメラ用のレンズを作成するために,Lucasfilm社は業務用レンズ大手の米Panavision Inc.とフジノンに打診。このうち白羽の矢が立ったのがPanavision社だった。Lucasfilm社傘下の米Industrial Light & Magic(ILM)社でDigital HD Supervisorを務めるFred Meyersによれば,Panavison社はLucasfilm社が求める技術を持っていた上,少量のレンズを短期間で製造できたことが決め手になった。