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日経オートモーティブ Market Watching

安売りが定着する米国自動車業界
ビジネスモデルの崩壊が始まる?

 2005年6月に米General Motors(GM)社が先陣を切った従業員割引セールは、米国自動車業界に巨大な構造変化をもたらしそうだ。
 この割引セールとは、従業員用の特別割引レートを一般顧客にも適応するもの。インセンティブ(販売奨励金)も含めると、2005年モデルを対象とした値引き率はMSRP(メーカー希望小売価格)の20~25%にも及ぶ。GM社の6月の売り上げは前年同月比で41%増と急激な伸びを記録した。
 これを受けて7月には米Ford Motor社とDaimlerChrysler社もGM社と類似の割引セールで追撃した。
 しかし8月、状況は急展開を見せた。ビッグ3が揃って失速。GM社は前年比で-16.6%と大幅に落ち込んだ。その原因は主力のライトトラックの不振。ガソリン価格が上昇し大型SUVの販売が鈍ったことが響いた。
 こうしたビッグ3の販売手法に日系メーカーは同調しなかったが、現在は売り上げに大きな影響を受けていない。ある日系メーカー現地法人の広報担当者は、次のように語る。「原材料費高騰のこの時期、彼ら(ビック3)の行動は迷惑です。MSRPの大幅修正やインセンティブの廃止が目的だと言っているようですが」。
 驚くべきことに、当初8月上旬までを予定していたビッグ3各社の従業員割引セールは、ずるずると延長されて9月末~10月上旬まで実施されることになった。しかもGM社は2006年モデルにまで同セールを展開し始めた。まさに、空前の価格破壊である。

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