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日経ものづくり ソニーのシックスシグマ

ソニーのシックスシグマ

第2回 
絶えず顧客を意識し
変化に対応できるプロセス構築

奥田 啓之
ソニーイーエムシーエス 経営管理部門 経営品質部 SSS担当部長

「知っていることと,実際にできることは違う」。シックスシグマの導入に一度は失敗しながらも,自社流にアレンジしてシックスシグマを再導入したソニーグループ。そこには,シックスシグマを実務に活用し,実践につなげる仕組みが組み込まれていた。それは,課題を抽出し,それを改善するための具体的な目標や指標に分解していく仕組みだ。(本誌)

 1997年,ソニーはシックスシグマを導入したものの,大きな成果を上げられなかった。その反省から,シックスシグマ手法を単に知識としての理解にとどまらせることなく,実務に活用し実践につなげる仕組みを考えた。それが,前回紹介したソニー流にアレンジしたシックスシグマ(ソニーシックスシグマ)である。2000年2月から導入を開始した。
 ソニーシックスシグマでは,シックスシグマを実践につなげられるように,自らの業務の中で解決すべきさまざまな課題と,その中から重要な課題(CTQ)を抽出することから始める。これは一般的なシックスシグマにはない概念であり,この段階をDefineプロセスと呼んでいる。
 ここで設定した課題は,さらに,それらを解決するために何をすべきかという,より具体的な目標や指標に分解していく。その分解が十分に行われ,達成すべき状態や数値が明らかになれば,それを実現する活動(SSSプロジェクト)において目標を達成できる可能性を高められる。
 そして,そうしたDefineプロセスは,プロジェクトの責任者である「チャンピオン」と現場のプロジェクト・リーダーである「ブラックベルト」が担い,具体的な目標や指示への落とし込みと指標の設定は,プロジェクトの実務担当者である「グリーンベルト」が実行する。
 こうしたプロジェクトの展開で注意すべきことは,手法だけに頼らないことである。良い手法であっても正しい考え方の下に活用しないと,成果が出ないことがある。「知っていることと,実際にできることは違う」のである。どんなに多くの知識を持っていても,実行に移す意志と考え方と実行力を持っていなければ意味がない。口で言うだけで手を出さない虚業家がまん延しては,会社としては危機である。

日経ものづくり 特報
図●ソニーシックスシグマの展開拠点