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日経ものづくり 標準化の神髄

新シリーズ

気楽に無理しない活動
まず熟練者の手順を拾い集める

斉藤 実
プロセスイノベーションコンサルティング 代表

経験したことを次に生かすことは難しいことではない。組織の中でだれかが経験したことは,標準として残すべき。しかし,案外できていない会社が多いのも事実。本連載では,標準化を効果的に進めるための手法について,3回にわたって紹介する。今回は,設計の標準化について取り上げる。気楽に標準を提案できる風土をつくり,基本事項を社内で統一し標準ツールを利用した上で,べテランの手順を短い言葉で書きとめる。(本誌)


 標準化は,繰り返し作業の経験を生かして効率を上げる取り組みである。日常の実務的な標準化活動は実務者が中心となって進めるべきで,日常的な「泥臭い」活動が期待される。本連載では,特に「ものづくり」に関係が深い開発,製造を中心とした標準化活動について紹介する。今回は,標準化の進め方と設計の標準化について述べる。

効率化の源となる標準化
 企業における活動の多くは,程度の違いはあっても繰り返し作業である。手順は繰り返されるが作業要素に新しい部分が加わるもの,逆に,作業要素は繰り返されるが手順が変わる場合などがある。標準化は,この繰り返し作業の経験を生かして効率を上げる取り組みといえる。
 標準化は,企業活動全体の効率化を目指す枠組みであり,範囲は非常に広い。その中でも企業の標準化活動の基本となる部分,例えば,コード体系などは全社の組織的活動が期待されるが,日常の実務的な標準化活動は実務者を中心として進めるべきだ。
 実務者を中心として新しい知識,経験を整理し,共有する。もし,誰にでもその標準を見れば作業できるほど知識,経験が整理できれば,それは組織の経験を高めることになる。新人や未経験者であっても効率がよい作業が期待できるのだ。
 このとき,間違いやすい作業や間違うと全体に影響が多い作業ほど,知識,経験を丁寧に整理する必要がある。実務者の腕の見せ所ともいえる。

日経ものづくり 標準化の神髄
図●PDCAを回す仕組み
気楽に標準を計画し,レビュー,仕組みにフィードバックするという風土を構築することが重要となる。