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日経ものづくり 組み込みソフト玉手箱

第10回 技術へのプライド高いソフト技術者

情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター
田丸喜一郎

●組み込みソフト技術者は専門技術に対してどん欲
●人手とスキルの不足に悩み,開発計画のずさんさを問題視
●傍で見るより,本人はやりがいを感じている

 機械設計技術者と組み込みソフトウエア技術者の最大の違いは,目に見えるものを扱うか,目に見えないものを扱うかの違いと言える。目に見えないソフトは,エラーや不備があっても分かりにくく,開発に細心の注意が求められる。この点では機械設計技術者が扱うメカの方が,問題点などは分かりやすいのが普通だ。
 半面,ソフトは作ればすぐ動かすことができる。メカと比べれば修正も容易で,修正結果を確認するまでの時間も短くて済む。メカを試作して動作を検証するのは大変な時間とコストがかかるが,ソフトはそれほどではない。この点から,時間的にハードでは修正できない問題点をソフト側で解決するような事態がしばしば発生する。
 このような差はあるが,ものをつくるという大きな目的は同じ。また,相反するさまざまな制約条件の中で,要求仕様をできるだけ高い次元で調和させて実現していく,という仕事の基本も同じだ。メカ,エレキの技術者同様,ソフトの技術者も自分の技術に自信を持ち,やりがいを感じている。
 その一方で,部外者からはそれほど認められていないという感情も持っているようだ。あくまで,技術に対するプライドがモチベーションの源になっている。この点も,多かれ少なかれ,メカやエレキの技術者と共通するところがあるのかもしれない。

日経ものづくり 組み込みソフト玉手箱
図●ソフトウエア技術者も人手不足とスキル不足を課題と感じている
開発資源や環境について,どのような課題があるかという質問に対する回答。(経済産業省「2005年版組込みソフトウェア産業実態調査」)