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 「原判決を取り消す──」。ワープロ・ソフト「一太郎」における特許権侵害の有無をジャストシステムと松下電器産業が争っていた「一太郎訴訟」が,事実上の決着を見た。ソフトウエアによる特許権の侵害を裁判所が認めたことで話題を呼んだ裁判である。第1審の判決から一転,控訴審を担当した知的財産高等裁判所(知財高裁)は,ジャストシステムの請求を認める判決を下した。松下電器が有する特許第2803236号は「特許無効審判により無効にされるべきもの」(判決文)とし,松下電器がこの特許権を行使することを認めなかった。

 ジャストシステムは控訴審で,松下電器が今回の特許を出願した1989年10月31日より前に同様の発明が公知であったとの主張を追加した。米Hewlett-Packard Co.のアプリケーション・ソフトウエアが搭載したヘルプ機能について解説した1989年8月発行の米国の文献を証拠として提出。この機能などから,知財高裁は松下電器の特許を「容易に発明をすることができたもの」(判決文)と判断,特許の対象外である「特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明」(特許法第29条2項)に当たるとした。