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Cover Story 特集
2005年の研究開発 伝承

1970年代に,エレクトロニクス産業に飛び込んだ技術者が退職の時期を迎える。テクノロジー・ドライバがコンピュータ産業からデジタル家電へとシフトした今,産業勃興期を体験したベテラン技術者の知見が生きる局面もあるだろう。先人が身につけた知識と経験を若い技術者に伝承しようという動きが具体化し始めた。

第1部<創造の時代>
勃興期から30年を経て 1970年代への原点回帰
第2部<明日への備え>
試行錯誤の経験こそが 先人から受け継ぐ財産
[付録1] 我が社のベテラン研究者 総勢33人の多彩な顔触れ
第3部<インタビュー> 12社の研究トップにの一手を聞く
松下電器産業/日立製作所/ソニー/東芝/NEC/富士通/シャープ/三菱電機/三洋電機/NTT/キヤノン/沖電気工業(インタビューの詳細
[付録2]読者調査に見る「伝承」の真実

Leading Trends 解説

H.264,あの手この手でSDTV/HDTV録画を目指す

H.264のリアルタイム符号化LSI/ソフトウエアの開発が急ピッチで進む。開発者が腐心しているのが,いかに画質を劣化させずに,回路規模や消費電力を減らすかである。マンモス・コーデックといわれるほど,符号化のために用意するデータ圧縮の手法は膨大である。逆に,工夫の余地も大きい。

Leading Trends 解説

ISSCC 2005に見るアジア新勢力の台頭

2005年2月6日~10日に米国サンフランシスコで開かれる「International Solid—State Circuits Conference」。今回の目玉は米IBM Corp.とソニー・グループ,東芝が共同開発した「Cell」と,米Intel Corp.の次期「Itanium」に関する発表になりそうだ。半導体の製造から設計に重心を移し始めた台湾勢の発表が急増したことも象徴的である。

Guest Paper 有害物質対応

ハイエンド向けBGA品をPbフリー化
RoHS指令の見直しのキッカケに

NECエレクトロニクスは,フリップチップBGAパッケージの完全Pb(鉛)フリー化を実現した。フリップチップBGAのハンダ・バンプは,2006年7月にEU(欧州連合)で施行される有害化学物質規制「RoHS指令」で除外項目になっている。現時点では,技術的にPbフリー化が困難とされていたためである。ただし,RoHS指令は定期的な見直しが行われており,代替技術が開発されれば,指令の対象に変わることもある。

Tech Tale

こんなにウケるとは…

着うたフルの開発(第2回)

NETs

電子プラットフォームなしにクルマ開発は立ち行かず

NETs

融合に向かうLSI技術とプリント基板技術

What's New 視点焦点

3社連合が託す液晶「IPS」,電極構造の変更で化ける
「きっかけはトヨタ」,キャパシタ開発が欧米でも
新市場求めるLiイオン電池,未開拓の高出力用途に進撃
p型とn型の両方に効く,新たなひずみSiが実用へ
ソニーとSamsung社,クロスライセンスの理由
台湾製液晶テレビに待った,SELが西友などを提訴

Selected Shorts雑抄拾読

【成長期】走るASIMO,背も伸びた
【技術者の意地】垂直HDD,30年を経て実現
【貿易額で米国に並ぶ】中国が基幹製品を次々に飲み込む

New Products 新製品

【IEEE1394用LSI】「broadcast flag」に対応,2番組をタイムシフト再生
【ソフト・ライブラリ】「OpenGL ES」準拠の3次元アプリ,SH-Mobile3で動作可能に
【ソフト開発キット】Windows CEとT-Kernelを協調動作
【衛星デジタル放送】「DVB-S2」方式に対応するチューナー,I/Q信号を出力する
【指紋認証センサ】他人との誤認を1/1000万回以下に,画素密度を高めて細い指に対応