デバイス新産業創造

「SoC（system on a chip）で40％の利益率」，「マスク1枚で高性能ASICを製造」，「MEMS（micro electro mechanical systems）を安売りせずに受託生産」。本誌の調査でエンジニアが選んだ“気になる企業10社”の実践例である。各社の目指す方向を分析する…

次のプロセス・シナリオは寸法では決まらない

プロセスの技術レベルを指すテクノロジ・ノードには，これまでデバイス寸法が使われてきた。65nmノード（hp90），45nmノード（hp65）といった具合である。しかし，今後はこの数字の意味が薄れていく可能性が高い。同じ寸法でも，「テクノロジ・ブースタ」と呼ぶ性能向上技術の有無によってプロセス技術のレ…

中国・インド台頭の時代
“逃げ切り”図る米国の産業強化策

日本に産業競争力，さらに低下の懸念

　米国の産業界，大学が，国家レベルでの新たな産業強化策を打ち出した。米国内産業の現状を分析し，21世紀における新しい産業政策を提言したレポート「Innovate America」注1）である。産学の代表から成る米国競争力評議会が2004年12月に発表した。停滞感のある既成産業の限界を打ち破る，“イノ…

液浸露光で早くもデバイス試作例が登場
量産導入に向け新たな実績

IBMとTSMCが相次ぎ発表

　液浸露光技術が，LSI量産ラインへの導入に向けて新たな一歩を刻んだ。米IBM Corp.と台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.（TSMC）が，2004年12月に相次いで液浸技術を使ったデバイスの試作例を発表した。評価用装置の導入から2～3カ月…

SiCの低損失MOS FET
ロームがゲート絶縁膜の新形成法で実現

オン抵抗はSi-IGBTの1/3

　SiCの本領を発揮できるデバイスが登場した。Si-MOS FETではこれまで手が届かなかった低損失動作を，ロームがSiC-MOS FETで実現した。今後，SiC-MOS FETの製品化に向けて開発が加速しそうだ。ロームは「2005年中に製品化に向けた課題を解決し，2006年にはサンプル出荷にこぎつ…

“隠れた欠陥”の可視化手法を提案　 45nm歩留まり向上の決め手に

検査・解析技術の積極的な利用を促す

　従来の検査・解析技術では見つけられなかった“隠れた欠陥”の可視化手法を提案する。これらは，45nmノード（hp65）の歩留まり向上の決め手となる。45nmノードでは，新しい絶縁膜材料や露光技術の導入による歩留まりの低下が懸念される。それだけに，検査・解析技術を積極的に利用することが重要となる。

亀山第2工場に見る勝ちシナリオ　基板大型化より“材料革命”に重き

インクジェット・カラー・フィルタ技術を導入

　TFT液晶パネル生産ラインの競争条件は，基板大型化から部品・材料コスト削減へ重点がシフトする。マザー・ガラス基板の大型化だけでは，競合するPDPの生産ラインに対抗しながら，需要拡大に向けた低コスト化を実現しにくくなってきたためである。こうした状況の変化が，シャープの亀山第2工場建設の発表から見えた…

「2006年，40型級，2500米ドル」で液晶テレビは爆発的普及へ

セットの原価推移をシミュレーション

　液晶テレビやテレビ向けパネル事業にとって，本当の勝負の年は2006年になりそうだ。消費者の購入動機につながる，高精細の画像の利用環境が一斉に整うからである。

FPDの超大画面化と1080p化に見る新ライフ・スタイルの姿

「2005 International CES」報告

　HDTV（high definition television）放送とブロードバンドの映像コンテンツを録画して，いつでもどこでも自由自在に楽しむ。このような近未来のライフ・スタイルが，2005年1月に米国ラスベガスで開かれた「2005 International CES」に見えた。こうしたライフ・…

DFT技術を使いこなし，テスト・コストの削減要求に応える

安価なLSIテスターで先端チップを検査

これまでの連載では，チップ設計に焦点を合わせてきたが，今回はテストについて考察する。テストとは，製造したチップをLSIテスター上でチェックすることを指す。それに必要なデータを作成するのがテスト設計である。大規模・高速な先端SoC（system on a chip）を安価なLSIテスターでテストするた…

キャパシタレスの製品化で混載メモリー市場を制覇する

　キャパシタを作り込むことなくDRAMを実現する。そんな「キャパシタレス・メモリー」で，混載メモリー市場を制覇しようとするのが米Innovative Silicon Inc.（ISi）社長のMark-Eric Jones氏である。

『FUSIゲート』

　45nmノード（hp65）から必要になるメタル・ゲートの第1候補に，「FUSI（fully silicided）ゲート」が急浮上してきた。FUSIゲートとは，通常の多結晶Siゲートを表面だけではなく内部まで完全にシリサイド化したゲート電極を指す。

“1回書き込み”こそメモリーの本命

「あのメモリーは本当に売れているのか」。多くのメモリー開発者が気にかけているのが，米Matrix Semiconductor, Inc.の3次元メモリーである。メモリー・アレイを4層や8層など複数重ねたチップを使うため，高いコスト競争力を持つ可能性がある。ここへ来て相次いで携帯機器に搭載され始めてい…

シリコン・サイクル消滅論は幻想だ

　半導体はあと数年で60歳の“還暦”を迎える。トランジスタがこの世に生まれたのが終戦直後の1947年。技術の継続的な発展と応用の拡大により市場は年平均成長率で16％，約5年で2倍という急成長を遂げた。

「キー・デバイス内製化」の流れで
ソニーがIDTechを買収
中小型液晶パネルの一大勢力に

台湾・中国　中根レポート

　ソニーは2005年1月7日，インターナショナル ディスプレイ テクノロジー（IDTech）の液晶パネル製造事業を185億円で買収する，と発表した。IDTechは，台湾のTFT液晶パネルの大手メーカーである「Chi Mei Optoelectronics Corp.（CMO）」の日本子会社である。今…

LSI設計会社の取り込みで
中国と台湾のSiファウンドリが競合

　デジタル・カメラやPDPの需要鈍化により厳しい状況が続く半導体市場。その中で，中国のSiファウンドリが「低価格」と「市場へのアクセスの良さ」を武器に，幅広い顧客の獲得に成功している。特に目立つのはSemiconductor Manufacturing International Corp.（SMI…

11月の世界半導体売上高が
190億米ドルを突破
前年同月比は＋20％を下回る

　米SIA（Semiconductor Industry Association）によると，2004年11月の世界半導体売上高は，対前月比で1.3％増と踏ん張り，190億2000万米ドルを記録した。単月の売上高が190億米ドルを突破したのは初めて。IT（情報技術）崩壊による前回の半導体不況時時には，…

第3四半期の世界EDA売上高
前年同期比で2％減
前期比で4％減と不振

　米EDAC（EDA Consortium）のMarket Statistics Service（MSS）によると，2004年第3四半期の世界EDA（electronic design automation）売上高は9億5300万米ドルだった。対前期比で4％減，対前年同期比で2％減と振るわなかった。

「設計とプロセスの協調」で製造バラつきを解消

LSIの微細化は45nmノード（hp65）で分岐点を迎える。高誘電率（high-k）膜やメタル・ゲートなどの新材料が入るためである。この際，LSIメーカーと同様に技術革新を求められるのが，製造装置メーカーである。技術革新をどのように実現し，ユーザーの「45nm突破」をサポートしていくのか。最大手の米…

MEMSで光デバイスを安くする　顕微鏡から光通信へ

MEMSアプリケーション（3）

光ファイバによるインターネット通信サービスの普及によって，低コストの光通信デバイスに対するニーズが高まってきた。それを支えるコア技術が光MEMS（micro electro mechanical systems）である。MEMS技術による大幅な小型化によって材料コストを削減し，低コスト化を実現する。…