日経ものづくり2005年3月号
目次
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H-II Aロケット,再び
国産ロケット復活への序章
2005年2月24日,「H-II Aロケット」の打ち上げが再開される。6号機の打ち上げ失敗から約15カ月。事故原因の究明と対策,信頼性の確保に向け,多大な労力が費やされてきた。不具合を発生した固体ロケットブースタだけはない。ロケット全体について再点検し,対処した課題は実に77件にのぼる。
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形も動きも変幻自在
十万円でお釣りが来る
多くのメーカーがヒューマノイド・ロボットを製品化しているが,なかなか手が届く価格ではない。ATR-Robotics(本社京都府・精華町)が発売した小型ヒューマノイド・ロボット組み立てキットは,10万円でお釣りが来る。新しいパソコンは我慢して,こっちを買ってみようかなと思わせる値段だ。発売したのは「R…
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コピー機をERPの入力端末に,大塚商会とリコーがシステム開発
紙文書をERPのデータとして容易にひも付けて登録
ERPシステムは,情報を一元管理できるのが特徴。ただし,製品図面やメンテナンス時の報告書などの紙文書に関しては,いったんスキャナなどで読み込んでデータ化した後に,関連する情報とひも付けて登録するなど,手間がかかっていた。
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組み込みソフト開発力強化へ向け通年イベント発足
複数のイベントが相互協力して「e-1グランプリ」に拡大
携帯電話やデジタル家電,自動車部品にロボット!)組み込みソフトのニーズは高まるばかり。ところが,その開発を担う人材が不足しているのが現状だ。このような状況の中,組み込みソフトに関する人材育成で新しい取り組みが始まった。
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携帯電話機をロボットで操作,画面表示を撮影して動作を検証
組み込みソフトの開発や検査工程向けにアジレントが製品化
アジレント・テクノロジー(本社東京都八王子市)は2005年2月,携帯電話機の組み込みソフトを効率的に検査するシステム「Agilent GS-8900」シリーズの出荷を開始した。組み込みソフトの複雑化に伴って検査項目は増え続けており,さまざまな条件で正常に動作するかどうかを短時間で確認することが求めら…
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日亜化学,「ニセモノ」対策で新展開 「敵」と結んで「敵」を討つ
競合の米Cree社に対して白色LED市場の参入を許した理由
日亜化学工業は2005年2月10日,米Cree社との間で白色LEDの特許を含むクロスライセンスを新たに締結すると発表した。両社は2002年11月に青色LEDのベアチップ(チップ)の構造や製造に関してクロスライセンス締結していたが,白色LEDの特許は除外されていた。今回の契約では日亜化学工業が持つ白色…
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直動軸受のキャリッジをワイヤで引っ張る新駆動方式を開発
ボールねじ,歯付きベルト,リニアモータに次ぐ第4の選択肢
SKマシナリー(本社横浜市)は,直動軸受のキャリッジをワイヤで引っ張る「ワイヤ ドライブ システム」を開発,「ベンチャーフェアJAPAN2005」(2005年1月26~27日,東京国際フォーラム)に展示した。半導体,液晶,プリント配線基板を搬送する用途のようにストロークが長く,高速が要求され,しかも…
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デジタル・カメラ・メーカーの決算明暗,価格低下の追従力に差
いよいよ淘汰が始まるか
民生用デジタル機器メーカーにとって,2004年の合言葉は価格下落といっても過言ではない。特に「新・三種の神器」として市場拡大をけん引してきたデジタルカメラ(DSC),DVDレコーダー,薄型テレビ受像機(テレビ)はその影響が顕著で,業績にも大きな影響を与えている(表)。
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患者の負担が小さいカプセル型内視鏡,数年内に実用化へ
小型化・高機能化進めるアールエフ,治験始めるオリンパス
カプセル型内視鏡が注目を集めている(表)。使い方は,錠剤のように飲み込むだけ。胃や腸のぜん動運動に任せて体内を進行しながら消化管の映像を自動撮影した後,体外に排出される。管を挿入する従来の内視鏡と比べ,患者に大きな負担を与えない楽な検査法として早期の実用化が期待されている。
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神戸製鋼所が業界初の「鋼材情報共有化システム」を構築
迅速な顧客対応の実現,戦略的な生産計画の立案へ
神戸製鋼所はこのほど,鋼材に関する情報を全社的に共有できる「鋼材情報共有化システム」を構築した(図1)。同システムの中核となるのは「統合データベースシステム」と「Web型プロセスコンピュータ」。これらは,鉄鋼部門における生産部門と営業部門,あるいは生産部門における製造現場と生産管理部門との間で遅れて…
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切削加工のマグネシウム合金製歯車,安全な加工条件を発案
質量は炭素鋼製やステンレス鋼製の1/4
早川精機(本社茨城県笠間市)は,切削加工によるマグネシウム合金製歯車を試作した。マグネ合金(AZ31)の丸棒から旋盤で削り出し,汎用の歯切り盤で歯車形状に仕上げる(図1)。今回試作したのは歯先円直径が12mmと32mmの歯車で,質量は同形状で炭素鋼(S45C)製やステンレス鋼(SUS304)製の約1…
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携帯機器向け燃料電池のメタノール・クロスオーバー大幅低減へ
炭化水素系膜ではフッ素系膜の1/100へ
携帯機器向け燃料電池の実用化に向け,電解質膜の改良が進んでいる。ダイレクト・メタノール方式の燃料電池(DMFC)で課題となっているメタノール・クロスオーバーを低減する電解質膜が続々と開発されてきているのだ。2005年1月19日から東京ビッグサイトで開催された「第1回国際燃料電池展」では,そうしたクロ…
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レジェンドの開発 第2回
運命の邂逅
本田技術研究所入社時から4輪駆動伝達システム「SH-4WD」,通称「SH-4駆」の開発に心血を注いできた芝端康二。ところが,SH-4駆の商品化を目前にした芝端に開発凍結が言い渡される。その後,芝端はSH-4駆の特性を生かした2輪駆動車向けの「ATTS」を商品化する一方で,SH-4駆の研究も水面下で続…
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読者参加企画第2弾 IT導入・失敗の理由
大金を投じて導入したITシステムなのに,現場に定着しなかった,使ってはいるが期待通りの成果が出ていない,開発費が当初予算の何倍にも膨れ上がった!)。IT導入・運用にまつわる失敗・トラブルは枚挙にいとまがない。さらに,最近は短期化・低コスト化が求められるようになり,成功のハードルはますます高くなってい…
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説明の仕方が悪いのか、理解しない方が悪いのか
誰かに何かを依頼するとき,極力一つだけに願い事を絞るようにしている。実際に実行してもらう最善の方法と信じているからだ。人それぞれで物事を理解する順序や深さは異なる。すべての人が自分と同じ思考で物事を理解できると思うのは大間違いだ。一度に複数の願い事を依頼しても,多くの場合は実行してもらえない。
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第10回 一生ものはこう作る
30年以上も使われ続けている機械がある。頑丈な生産機械ならありそうな話だけど,これは小さな日用品だ。大きさといい,構造といい,数年間で使い捨てにされる家電製品に近い。この長寿を可能にしたのはレンタルというビジネス手法だ。「買い替えさせよう」という動機がないから,計画的陳腐化をさせなくても,商売がうま…
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アイシン精機 試作工場
モータ用磁石の取り付け治具
モータケースの内面に4枚の磁石を取り付ける工程は従来,手作業だった(図1)。まず,治具で位置決めした磁石をモータケースに仮止めし,その位置をケガく。ケガいた範囲に接着剤を塗布して,磁石を一つずつ張り付けていくというプロセスだ。このため,手間がかかるばかりか,張り付け位置を目視で確認する必要があった。
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ソフトには機械がメモリーに見える
情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター 田丸喜一郎
機械製品をソフトウエアで制御することは「マジックハンドで持った孫の手で背中をかくようなもの」とよくいわれる。機械製品のメカの動きは,まずエレキの信号に変換され,それをデジタルな値としてソフトが処理して,その結果を,またエレキの信号に変換して,メカを動かす。
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塑性加工で一気に完成品を供給
後工程の要らない精度を実現し量産ラインの姿を変える
量産において塑性加工が受け持つ精度の範囲は50μmより粗い。この常識をアイシン精機は打ち破った。プレス成形と冷間鍛造を複合させたプレス鍛造成形を究めることで,ABSの部品など20μmより厳しい精度を要求される加工品にも塑性加工を用いている。国際市場で勝ち残るためのカギを握る同技術の詳細を,同社の技術…
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ソニー業績不振の理由とものづくり力の検証
弱い「本社」,強い「工場」
大規模なリストラ計画に着手したものの,業績回復の兆しが一向に見えないソニー。2005年1月末には,2006年度に営業利益率を10%まで引き上げるという目標に逆行するかのように,業績の下方修正を発表した。今期の営業利益率は1.5%と目標到達への道のりは遠く険しい。世界の「勝ち組」と言われたソニーに何が…
日経クロステック Special
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