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Rick Cnossen氏(写真:中島正之)
Rick Cnossen氏(写真:中島正之)
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 健康管理市場の拡大を目指す非営利団体「Continua Health Alliance」。2010年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2010」では,加盟企業などが共同で出展し,さまざまな健康サービスが紹介された(関連記事)

 Continua Health Alliance PresidentのRick Cnossen氏に話を聞いた。


――CEATEC JAPAN 2010では,Continua対応のさまざまなサービスが紹介された。

Cnossen氏 どのようなサービスが登場するかによって,ヘルスケア市場が今後どこまで広がっていくのかが決まる。バイタルデータを取得するだけでは意味がない。そのデータを,QOL(quality of life)の向上にどう結び付けていくのか。生活に密着したサービスにつなげることが非常に重要だ。

 どのようなサービスが求められるのかは,地域や文化によって異なる。例えば米国では,肥満が大きな問題であり,減量サービスが“cool”なのかもしれない。それは,地域によってさまざまだろう。Continua Health Allianceの意義は,このような多種多様なサービスを生み出すための共通の基盤を整備していることにある。

――設計ガイドライン第1版(関連記事)の完成から1年以上経つ。対応サービスなどの開発は,当初の見込みに対して順調に進んでいるのか。

Cnossen氏 日本では,25の対応サービスが登場している。これは,当初の期待を大きく上回る数だ。一方,米国での進捗は,期待を下回っていると言わざるを得ない。

 つい先日,設計ガイドラインの最新版を発表した(関連記事)。最新版では,対応する健康機器などを増やした。これによって,新たなサービスも登場してくるだろう。今後,年に1回は設計ガイドラインをアップデートしていく考えだ。何を更新していくのかは,参加企業のニーズなどを踏まえて決めていきたい。

――世界の中では,日本が最も先行しているということか。

Cnossen氏 Continua対応の機器やサービスの数では,間違いなく日本が先行している。個々人に健康管理をしていこうという意識があり,個人向けのサービスも多く出てきている。日本が先行している理由は厳密には分からないが,高齢化社会であることが影響しているのかもしれない。

――日本が世界のヘルスケアのモデル・ケースになる可能性があるのか。

Cnossen氏 そう考えているし,既に世界をリードしている。さまざまな(ヘルスケア関連の)国際イベントに参加すると,日本がどのような機器やサービスを開発しているのかに注目が集まっているのを感じる。

 世界の先進国の多くも,生活習慣病が課題になっており,ヘルスケアはますます重要になる。こうした中で,高度な技術を持っている日本企業は,それを海外に展開する大きなチャンスだ。Continua Health Allianceという世界共通のインタフェースが存在するため,国ごとに異なる仕様を意識する必要がない。この事実も,世界展開の際の障壁を低くしている。

――今後の課題は。

Cnossen氏 課題は幾つかある。まずは,一般消費者や医師などに,(ITを活用したヘルスケアを)受け入れてもらうことだ。

 ただ,今回のCEATECでは,1000人を超える来場者が,我々のブースにあるContinua対応の血圧計で血圧を測った(関連記事)。簡単に使えことを実感してもらえたと思う。医師にしても,若い医師の場合は,新たなテクノロジーを受け入れる傾向がある。間違いなく,(一般消費者や医師に)受け入れられるようになると考えている。