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 スマートフォン用SoCなどに集積されるGPU(graphics processing unit)コア市場で約50%のシェアを握る英Imagination Technologies社。同社が1年半程前に米MIPS Technologies社を買収したことで、英ARM社との競り合いに拍車がかかった。同社の戦略や半導体産業の方向性について、Imagination社CEOのHossein Yassaie氏に話を聞いた(聞き手は、今井拓司=日経エレクトロニクス編集長)。

問:半導体微細化が難しくなり、Mooreの法則の終焉が近いと言われている。そうなったら半導体産業にどのような影響が出ると思うか。

(写真:加藤康)
Yassaie氏 私は、Mooreの法則はすでに終息したと考えている。微細化、すなわち、寸法を小さくするという意味では、Mooreの法則は続いているいるし、今後も大丈夫だろう。しかし、コストはもう低下しなくなっている。かつては寸法が小さくなると共にコストも下がった。コストが下がらないという意味では、Mooreの法則は、もう終わったのだ。

 ただし、それは大きな問題とは考えていない。誰もが先端プロセスを求める時代が終わっただけだ。今後は、さまざまなプロセスが混在し、適用先によってプロセスを使い分けるようになる。例えば、最先端プロセス、現在ならば16nm FinFETプロセスは、性能を追求するICや集積度を非常に高めたいICの製造に使われるだろう。一方で28nmは今後も長い間さまざまな用途で利用されるとみられる。