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自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部技師長の百瀬氏。医療・介護機器におけるものづくり技術の適用を推奨している。
自治医科大学附属さいたま医療センター臨床工学部技師長の百瀬氏。医療・介護機器におけるものづくり技術の適用を推奨している。
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――しかし、薬事法への対応などもあり、門外漢のメーカーが医療機器に参入するのは難しくないでしょうか。

 確かに薬事法対応は面倒ですが、それはやればいいだけのことです。あくまで手続きですから、やろうと思えばできます。

課題はマーケットの見極め

 それよりも問題なのは、ものづくり企業が医療機器・介護機器分野に参入したとして、果たして自社の技術や製品にどれくらいのニーズがあるかを見極めるのが難しいことです。医師や看護師、臨床工学技士などの医療従事者は、自分の現場のニーズは分かってもよその病院で、どんな技術にどの程度ニーズがあるかまでは分かりません。医療機器メーカーも自社製品に関するものはともかく、その他となると案外目利きが難しい。

 では、だれがそれを見極めるか。私は、特に新しい医療機器・介護機器を開発しようとするなら、第三者の立場のマーケット分析の専門家が必要なのではないかと思っています。さまざまな医療現場を見てニーズを分析し、技術の目利きもできる---そんな専門家が望ましいですね。医療への日本のものづくり技術の融合が進めば、そうした分析だけでもビジネスが成立すると思います。